エコウィルとは何ですか？エコウィルの仕組み

エコウィルとは何ですか？

エコウィルとは都市ガスによって発電したうえでそのエネルギーを家庭内の給湯や暖房にも使用するシステムのことです。「ガスコージェネレーションシステム」という呼び方も使われます。

このシステムのポイントはクリーンなエネルギーである都市ガスを使用したうえで発電すること、さらにその際に生じる熱で給湯や暖房もできる点です。
そのため非常に効率がよく、環境問題や省エネ対策への関心が高まっている現代社会に適したエネルギー環境として注目を集めました。

都市ガスで発電しつつ、それではカバーできない分は電力会社からの電気を利用する形をとります。
ですから完全に電力を都市ガスでの発電だけでまかなうのではなく、電力の利用状況に応じて必要な電力を確保する形となります。

例えば夕食後など家庭内の電力量が多い時間帯には電力会社の電力を使用する一方、日中のようにあまり電力を使う機会がないときにはエコウィルのシステムでカバーすることができます。
しかもエコウィルで発電している間に給湯によってお湯を作ることができます。
ですからあまり電力を使っていない時間帯にエコウィルのシステムでお湯を作り、電力を多く使う時間帯にお湯を使うといった効率の良い使い方も可能なのです。

このエコウィルのシステムを導入することによって家庭内の省エネ性を大幅に向上させることも可能です。
データによると従来の火力発電と給湯器を使用した環境と比べてCO2排出量が約39％も削減可能、エネルギー利用率についても従来の火力発電・給湯器の40％に比べて92％と非常に高い数字となっており、エネルギーを無駄にすることなく使用できることがわかります。

このように新時代の家庭内のエネルギーシステムとして注目を集めたエコウィルですが、じつはもうすでに新規販売の申し込みは終了しています。
2017年9月末をもって各ガス会社による販売が終了しているため、これから新規にこのシステムを導入することはできないのです。

ですからこのクリーンなエネルギーを利用したエコなエネルギーシステムは「失敗した」と言うこともできるかもしれません。
ではどうして販売が終了してしまったのでしょうか？

主な理由として2つ挙げることができます。
ひとつはエコウィルを導入する際に支給される自治体による補助金が2011年をもって終了してしまったこと。
その結果導入の際の初期費用の負担が大きくなったことから新規購入者が減ってしまったと言われています。

そしてもうひとつ、重要な理由となっているのがエネファームの登場です。
こちらも都市ガスを使用したエネルギーシステムで、都市ガスとLPガスに含まれる水素と空気中の酸素を化学反応させることで発電をするというのが大きな特徴です。
この化学反応による発電によって給湯をはじめとした一般家庭のエネルギーをまかなうことができるのです。

ガスを化学反応させることで発電するエネファームの仕組みはエコウィルと比べてガスの消費量が多くなるため、ガス会社にとってはより「利益が見込める」システムとなっています。
そのためガス会社がエコウィルからこちらに注力を傾けるようになったためにエコウィルに注目が集まらなくなったのです。
ですから消費者とガス会社双方の事情からエコウィルの販売が終了してしまったことになるわけです。

エコウィルを買い替える場合にはエコジョーズがオススメ！その理由とは？

ですから、2024年現在におけるエコウィルを巡る関心は、かつてこのシステムを購入・導入した人がエコウィルからどのシステムに乗り換えるかに集まっています。
2017年に新規販売が終了したわけですから、ギリギリに購入した方でもすでに7年近く経過することなります。経年による結果なども踏まえてそろそろ買い替えが必要になってくる時期でもあるわけです。

エコウィルが終了した大きな理由であるエネファームに乗り換える、というのも選択肢の一つです。
ただし、先述したようにガスの消費量が多くなるほか、システムを機能させるための燃料電池ユニットの点検や交換、修理などに負担がかかる難点を抱えています。
この燃料電池ユニットの総点検には1回約10万円ほどかかるのです。
ですから経済的な負担が気にならないならエネファームへの切り替えもよいのですが、なかなか難しいという方も多いのではないでしょうか。

コストの面も考えるとエコジョーズに交換・乗り換えの方がおすすめです。
ガスを有効利用することでより効率よく給湯が可能になるエコジョーズは省エネ・環境面から見ても非常に優れたシステムと言えます。

従来の給湯器の場合、使用するガスのうち約20％ほどは排気ガスなどで無駄になってしまいます。
エコジョーズはこの無駄になっていた熱を再利用する形で給湯することができるため、ランニングコストや電気代の節約ができるのです。

またエネファームが発電装置を備えているのに対してエコジョーズは給湯のみの機能に絞られているため、より安価に導入できますし、点検や部品交換などのコストも安く抑えることができます。

省エネや効率の良いエネルギーシステムはたしかに魅力ですが、その環境を維持するためのコストを負担できるかという大きな問題も出てきます。
エコウィルから他のシステムに交換する場合にはこの点を意識したうえで検討していく必要が出てくるでしょう。
もちろんエネファームも魅力的な選択肢ではありますが、この高度・高価なシステムが本当に自分たちにとって必要なのか、元が取れるのかをよく考えた上で検討するようにしましょう。

電気代の節約効果をはじめとした一般家庭における総合的な評価では、よりコンパクトでコスト・効率性に優れたエコジョーズの方が適していると言えそうです。

まとめ