給湯器Q&A
ガス給湯器が故障しているサインは?異常の前兆を見逃さないチェックポイント

目次
ガス給湯器が故障しているサインは?
給湯器の故障は、エラーコード以外にも前兆となるサインがいくつかあります。これらを早期に察知し、適切に対処することで、大きなトラブルや事故を未然に防ぐことができます。
ここでは、よくある給湯器の故障の前兆や異常サインを6つ紹介します。
①お湯が出るまでに時間がかかる
まず、ひとつ目の異常サインは「お湯が出るまでに時間がかかる」というものです。
これは、経年劣化による部品の不具合が原因で、点火不良を起こしている可能性があります。
その場合、給湯器のリモコンにエラーコード「111」が表示されていることがあるため、あわせて確認しましょう。
ただし、給湯器本体と給湯栓の距離が長い場合や、水圧が低く最低作動流量を下回っている場合も原因として考えられます。これらは設置状況や給湯器の構造によるものであり、必ずしも故障とは限りません。
②水漏れしている
雨が降っていないのに給湯器周辺に水たまりができている場合は、給湯器本体や配管の接続部分から水漏れしている可能性があります。
まずは、給湯器の電源をオフにし、安全を確保したうえで、水漏れの発生箇所を確認しましょう。
なお、水漏れのように見えても、給湯器内部の圧力を調整する目的で意図的に排水されているケースもあります。
しかし、水漏れが一時的ではなく長時間続いている場合は、給湯器本体または配管の不具合が原因と考えられます。
③爆発音などの異常な音がする
「ブーン」という音が聞こえるのは、ファンモーターが回転している音で正常な場合がほとんどです。
ただし、給湯器から「ボンッ」といった聞き慣れない大きな音がする場合、ガス漏れや不完全燃焼の危険性があります。
他にも、笛やホラ貝の音に近い音がする場合は、ガス圧や空気の量等、バランス不具合の可能性、燃焼不具合の可能性があります。
④煙や異臭
給湯器本体の排気口から黒い煙が出ている場合は、炎検出装置系統や燃焼系統の不具合が原因と考えられます。不完全燃焼を起こしている可能性が高く、一酸化炭素中毒のリスクもあるため、ただちに使用を中止し、専門業者へ相談してください。
一方で、白い煙が出る場合は、外気温が低いときに排気ガスに含まれる水蒸気が白く見える現象であることが多く、しばらくして自然に消えるようであれば問題ありません。
ただし、外気温が高いにもかかわらず白煙が出続ける場合は、不完全燃焼の可能性もあるため注意が必要です。
⑤お湯の温度が安定しない
2か所以上で同時にお湯を使用したり、断続的に使用したりすると、給湯器は湯量や温度が不安定になることがあります。
また、シャワーを一度止めた後に再びお湯を出した際に、最初に熱いお湯が出てから冷たい水が出るといった現象が起きることがあります。これは、いわゆる「冷水サンドイッチ現象」と呼ばれるもので、給湯器の構造上どうしても発生する現象であり、故障ではありません。
これらの要因が見当たらないにもかかわらず、お湯の温度が頻繁に不安定になる場合は、給湯器自体に不具合が生じている可能性があります。
他にも、原因が給湯器ではなく、混合栓(蛇口)の故障による可能性も考えられます。
⑥追い焚きやお湯張りができない
追い焚きは、お湯を循環させることで機能しますが、浴槽内の水位が低すぎると、自動的に作動が停止するようになっています。また、浴槽内の循環口にあるフィルターに髪の毛や汚れが付着している場合も、同様に機能しなくなることがあります。
これらのケースでは、浴槽の水位を適切に保つ、フィルターの清掃を行うといった対応で解決することがあります。それでも改善しない場合は、故障の可能性が高いと言えます。
このサインが出たら危険!早めの対処を行うべきケース
煙が出た場合はすぐに使用中止
給湯器が出す異常を知らせるサインの中でも、特に注意しなければならないのは「煙が出た場合」です。特に、黒い煙が出たら不完全燃焼の可能性が非常に高く、一酸化炭素中毒のリスクがあります。
一酸化炭素は無色・無臭ですが、毒性が強く、気づかずに吸い続けてしまうと頭痛や吐き気などの症状を引き起こすことも。
煙の原因は不完全燃焼だけではなく、内部に入り込んだ虫や埃が燃えたなどの可能性もあるのですが、万が一のことを考えてすぐに使用をやめ、換気を行うと同時に専門業者へ連絡してください。
「ボンッ」などの爆発音は危険
異音のなかでも「ボンッ」「ポンッ」といった爆発音がした場合は、不完全燃焼の兆候です。
また、ガス臭がする場合は、ガス漏れの可能性があります。
このようなケースも一酸化炭素中毒のリスクがありますので、ただちに使用を中止し、専門業者に相談しましょう。
ガス給湯器の不調は必ず専門業者に依頼を
給湯器に不調や異常を感じた場合でも、自己判断で修理や交換を行うのはNGです。
給湯器はガスや水を扱う機器であり、正しく扱わなければ重大な事故を引き起こす可能性があります。
電源のリセットやリモコン操作など、簡単な応急処置であれば問題ありませんが、内部の分解や部品交換などの作業は絶対に行わず、必ず資格を持った専門業者へ依頼してください。
ガス給湯器の使用年数が10年以上なら交換のタイミング
これまでにご紹介したような異常のサインが見られた場合でも、給湯器の使用年数が10年未満であれば修理による対応が可能なケースもあります。
ただし、使用開始から10年以上が経過している場合は、部品の供給がすでに終了していることも多く、修理が難しいケースが増えてきます。
そのような場合は、給湯器本体の交換を検討するのが現実的な選択肢となります。
給湯器の寿命は、一般的におよそ10年程度とされています。
それ以上使用していても問題なく動作することはありますが、内部では部品の劣化が着実に進行しており、目に見えない不具合が隠れている可能性も。徐々に故障の頻度が増え、いずれ完全に動かなくなってしまう恐れがあります。
今すぐ不便がない場合でも、突然の故障によってお湯が使えなくなると、生活に大きな支障が出るため注意が必要です。
これまでに紹介したような危険なサインや、その他異常が見られる場合は、できるだけ早めに専門業者へ相談し、交換を検討しましょう。
【まとめ】給湯器の異常サインは早期発見・早期対応がカギ
やかんくん
きゅうとうきくん、給湯器が故障したってどこを見れば分かるポ?
きゅうとうきくん
給湯器が出す異常を知らせるサインを知っておくことが大切だよ。例えば、なかなか火がつかなかったり水漏れ、変な音や匂い、煙が出ていたり。他にもお湯の温度が一定しなかったり追い焚きができないのがサインだと言えるかな。
やかんくん
もしそのサインに気付いた時はどうしたらいいポ?
きゅうとうきくん
まずは落ち着いて不具合の状況を確認しよう。それから修理や交換は資格を持つプロに依頼しよう。
やかんくん
わかったポ!異常の中でも特に気を付けるサインはあるポ?
きゅうとうきくん
特に危険なサインとしては「煙」と「爆発音」かな。黒煙が上がっている場合、不完全燃焼が起きている可能性があるんだ。一酸化炭素中毒になるのを防ぐためにもすぐ使用をやめて換気をしてね。爆発音も不完全燃焼の可能性があるし、この場合もすぐに使用をやめることが大切だよ。そのあとは速やかに業者に依頼をして修理または交換をしてもらってね。