床暖房の給湯器は何号がよいですか？

床暖房の給湯器は何号がよいですか？

床暖房機能付きの給湯器を選ぶ際には、自宅のニーズに合った製品を選ぶ必要があります。その一つのポイントとしては、給湯器の号数を適切なものにするという点が挙げられます。号数というのは、一度にどのくらいのお湯を供給できるかを示す指標となります。
具体的には、1分間に現在の水温から25度暖めたお湯を供給出せる量となります。

一般的な給湯器の号数の種類

給湯器の号数は、規格を揃えるという意味もあって、3つの大きさが一般的です。
これは、メーカーやモデルに関わりなく共通しているものとなります。
具体的には、16号が一番小さく、次に20号、そして24号となります。
号数が大きい方がよりスペックが高く、一度にたくさんのお湯を出せます。

号数選びのポイント

家族構成と生活スタイル

では、どの号数が良いかということですが、分かりやすい考え方は一緒に住んでいる世帯人数で決めることです。一番小さな16号は、単身か2人暮らしの住居向けです。
そのため、ワンルームマンションなどでは、ほとんどが16号となっています。2人から3人の場合は20号はあった方が良いでしょう。さらに、4、5人家族ということになれば、24号が推奨されます。

この世帯人数による分け方が基本となるのですが、これにいくつかの要素が加わります。
たとえば、お風呂に入る際に、ほとんど湯船を使わずにシャワーだけで済ませるという家庭もあります。
その場合は、お湯張りの必要がほぼありませんので、号数は小さくなっても大きな問題は生じないでしょう。逆に、家族のライフスタイル、生活の時間がバラバラのケースでは注意が必要です。
たとえば、誰かがキッチンで家事をしているタイミングでお風呂に入ることが多いといった状況では、号数が大きくないと水圧が下がってしまう恐れがあります。

住宅環境

そもそもの家の作りも関係しています。1階だけでなく2階にもシャワーがある住居の場合、同時に給湯をする可能性も出てきますので、大きな供給能力がないと厳しいでしょう。
他にも、季節による違いも考慮すべきです。
夏の時期はベースとなる水温が高いですし、それほど温水を使わないので問題と思わないかもしれませんが、冬になると一気に給湯器への負荷がかかります。冬に出てくるお湯の量が少ないと感じているのであれば、現状よりも号数を上げることで解決できるかもしれません。

床暖房付き給湯器の種類

床暖房を行う機器の種類の違いも考慮に入れると良いでしょう。床暖房機能付きの機器には主に3つの種類があって、1つ目はフロ給湯暖房用熱源機と呼ばれるものです。
これは、シャワーや台所などへの給湯と追い焚き、自動お湯張りに加えて、床暖房への熱源供給をするものです。

もう一つは、給湯暖房用熱源機と呼ばれるタイプで、給湯と暖房機能のみとなります。
3つ目は、暖房専用熱源機で、暖房機能だけです。そのため、給湯器とセットで暖房をしたいと思っているのであれば、この3つ目の熱源機はあまり使われません。

給湯器の号数が関係するのは1番目と2番目のタイプなのですが、この差は自動でお湯張りや追い焚きができるかという点です。やはり、自動お湯張りなどの機能を使うと、キッチンやシャワーでの給湯中に湯船への温水供給を同時にするケースが増えてきます。
その分、号数を上げないと水圧が下がってしまう恐れがあります。
このように、使用する床暖房付き給湯器の種類によっても、号数を調整した方が良いのです。

号数アップの注意点

こうしてみると、原則として、号数は大きい方が安心で、ゆとりを持って選ぶべきということが分かります。しかし、現状よりも号数を上げるのが難しいこともあるので、事前に業者へ相談してみる必要があります。

集合住宅の規約

まず集合住宅にお住まいの場合は、号数の変更を禁止しているところがあるからです。
集合住宅の場合は、それぞれが供給能力を上げてしまうと、マンション全体でのガスや水道のキャパシティーを超えてしまう恐れがあります。そのため、管理規約の中で、号数アップを禁止としているケースが多く見られるのです。

設置スペース

たとえ、号数アップが禁止されていないとしても、給湯器の敷設スペースに問題が生じることがあります。
通常、号数が大きな給湯器というのは、本体の大きさもアップするものです。
ただでさえ、床暖房付き給湯器は大きなものですので、さらに能力を上げるとなると、既存スペースに入らない可能性があります。
事前に新たに設置したい機器と、設置スペースを比較しておく必要があるでしょう。

ガスメーターの容量

ガスメーターとの関係で問題が生じることもあります。
というのも、給湯器の号数が上がると、それだけガスも多く消費することになるからです。
ガスメーターにも、やはり号数があってそれぞれで供給能力に違いがあります。
16号、20号の給湯器を使う場合には、4号以上のガスメーターでないといけません。一方で、給湯器が24号となる場合、ガスメーターは6号以上でないと適合しないのです。
もし、現状でガスメーターが4号ということであれば、そのままでは号数アップした給湯器の設置は不可能です。

ガス配管の口径

ガスを供給する管には異なる口径があり、太くなるほど大量のガスを供給できる作りとなっています。
たいていの住居において、16号の給湯器が設置されている場合、細いタイプのガス管が使われています。
そのままだと20号などの大きな給湯器には対応できません。
一方で、現在20号の給湯器を使っている場合は、太いタイプのガス管が敷設されていることが多く、そのままでも24号の給湯器に対応できるケースもあります。
もし、ガス管が細く号数アップに対応できないということであれば、ガス管の交換もする必要が出てきます。
当然、その分費用や工事期間の点で負担が増えることになりますので、慎重に検討するべきです。

号数選びのコスト面

こうしたいろいろな条件を考えて、自分たちにとってはどの号数が適しているのかをよく考えましょう。
その上で、給湯器の選定をしていくことができます。
実は、給湯器は号数が上がるごとに、本体価格が高くなる傾向にあります。
製品によってそれぞれの価格差は違いますが、号数がワンランクアップすると3、4割ほど高くなるものも珍しくありません。そのため、しっかりと見積もりを確認して、予算の範囲内に収まるかも考えてどの機器にするかを選びましょう。

まとめ